多様性におけるインクルージョンとは?

ダイバーシティを理解する上で必要な「インクルージョン」という考え方について

「inclusion」インクルージョンは包括(ほうかつ)、包含(ほうがん)などの意味を持ち、「インクルージョン教育」(障がい者と健常者を同じ教室で学ばせること。包括的教育)や、人材開発関連のカンファレンスなどでよく使われている用語です。

インクルージョンという用語は社会や福祉の分野では、上記の「インクルージョン教育」や、社会的に弱い立場にあるすべての人々を社会の構成員として包み支え合う「ソーシャルインクルージョン」、言語や文化、経済的なことも含めてあらゆる人々がITを用いて教育や社会参加の機会を失わないように進めている取り組み「e―インクルージョン」などがあります。
仕事や経済の分野ではダイバーシティからの取り組みにより、新しい組織のあり方としてインクルージョンという考え方があります。

インクルージョンという考え方は、事例や取り組みがまだ研究段階のため明確な定義はされていませんが、様々な社会文化、個人的特質などによる色々な要因から、排除や区別を取り除き、全ての人々が対等な関係性で、社会や組織に参加する機会の提供を目指しているということです。

多種多様の価値観と組織

ダイバーシティの概念やコンセプトは、多種多彩な人々、多様性のある社会、組織を作る事に焦点を合わせており、いろんな人が働くことができる環境を整備しようとする考え方です。
一方インクルージョンは、人々が対等な関係性で社会や組織に参加している状態を作る事に焦点を合わせており、一人一人が自分らしくいられ、尚且つ組織に参加できる機会を提供し、自分が社会や組織に貢献していると思えるような組織や経営管理、文化などを作ろうとするコンセプトになります。

ダイバーシティとインクルージョンは一見、似たような意味合いで別々の概念のように思われがちですが、本当のダイバーシティとはインクルージョンなしには成立しません。
一人一人が働き続ける上で必要なダイバーシティは、ただ単に個人に合わせた環境整備ではなく、人々が自分らしくいられ、お互いの特性や違いを尊重するということなのです。
職場でのインクルージョン実現に向けて必要なことは、まず会社組織がインクルージョンを認識し、取り組むための機会を提供し、会社組織が目指しているビジョンや姿形を考え、対話を起こすことが大事です。

例えば、プライベートよりも仕事第一やお客様第一などの今まで固定化してきた行動パターンなどを優先せず、本人が意識的ではなくても暗黙的に排除や区別を行っている場合もあるので、一人一人が気づき、インクルージョンの考えを理解、意識をして取り組むことが大切です。

インクルージョンが実現すると、個々の自分らしい形で会社組織に主体的に参加でき、個々の力を最大限に引き出し、発揮させることができます。
さらには、会社組織に新しい考え方が入ることで組織改革を起こせます。
また、従業員が対等に関わり合うことで、人として互いに影響し合い、成長などの変化が期待できます。